中学受験での国語勉強法(読書ってどう?)

国語の成績と読書の関係

国語の勉強方法で最初に思いつくものといえば読書ですよね。国語の授業でも教科書を読むことが中心になっているので、読書は国語の勉強の王道のように思われています。

 

ただ、実際には読書をしても成績が上がらないことのほうが多いものです。
ほかに国語の勉強法が見つからないから、「とりあえず読書」となっている面もあります。

 

読書で成績が下がることはないし、無駄だとも言い切れないのが悩ましいところ。
ただし、受験となると限られた時間の中で成績を上げなければいけません。

 

そうした状況で「読書」が効果的なのか?
学習塾の塾長をしていた経験から、考えを述べてみたいと思います。

 

読書で国語の成績が上がるタイプの子はどんな子か

読書をすることで成績が上がる生徒もいます。
ただし、こうした子は小学校で国語の成績が5段階評価で1か2の児童です。

 

国語の成績が1か2の子というのは、長い文を読むことをあきらめてしまっています。このため、読解問題は文章を読まずに選択肢だけで選んでます。それでは、正解することはできません。

 

内容を読み取れないのではなく、読んでいないというのが成績が1や2の子の特徴です。

 

こうした子が読書で長い文を読むことに抵抗がなくなれば、読解問題ができるようになり、国語の成績も上がります。

 

成績が普通でも一定の読書習慣は必要

国語の成績が1か2の子にとっては読書が有効な勉強方法ですが、5段階評価で3以上の子にとっては、読書で成績が劇的に上がるということはありません。

 

では、中学受験生にとって読書は不要かというとそうではありません。
国語の成績を上がるためではなく、数学や社会など全体の成績を上げるために読書は必要です。

 

文章を読んで理解することは、どの科目にも共通する基礎力になります。
算数の文章題が苦手な子は読解力に問題があることが多いものです。

 

決して即効性があるわけではありませんが、読書は全科目に共通する基礎力をつけるために必要です。国語の成績が上がらないからといって、読書をやめてしまうことのないようにしてください。

読書のメリットは語彙が増えること

中学受験生にとって読書をすることのメリットは語彙が増えることです。
言い換えると、読書でしか知ることのできない言葉を覚えられるということです。

 

話し言葉と書き言葉は違います。特に小学生の場合は、その差が大きいもの。
中学入試で出題されるのは書き言葉。友達同士でしゃべっている言葉ではありません。

 

この違いにとまどう子が多くいます。
書き言葉がやたら難しい言葉に感じてしまい、文章を正しく理解することができません。

 

こうしたことを避けるために読書は有効です。

 

読書でしか覚えられない言葉

小学生が日常で話す言葉は限られています。友達同士でも親との会話でも同じ。これは話題が多くないため、どうしても同じような言葉(単語)だけで会話をすることになってしまいます。

 

そこで、読書です。
読書をすることで、知らなかった言葉が自然と身につきます。

 

ポイントは言葉が身につくということ。
語彙を増やそうと思って、単語帳を作って覚えても、それは身についたことになりません。

 

文章の中で出てきた単語を覚えないことには、試験に活かせる知識とはいえません。
漢字の書き取り問題であれば別ですが、国語の問題の大半を占める読解問題に役立ちません。

 

書き言葉になれることで作文ができるようになる

読書のもうひとつの良いところは、書き言葉に慣れることで作文ができるようになることです。

 

小学生にとっては話し言葉と書き言葉のギャップは大きいもの。おしゃべりが得意な子でも作文が苦手な子は多くいます。思ったことを書けばよいといわれても、何ひとつ書き出せないというタイプの子です。

 

「まなぶ」は「まねる」から。
読書をして、書き言葉を「まねる」ことが、何も書けないという子の作文対策になります。

 

中学受験では記述問題が多いので、作文力に不安のある場合は、読書を取り入れてみてください。

 

学校推奨本、受験生向け推奨本はつまならい

学校推薦図書や学習塾などでの推薦本を読んで面白いと感じる子は少ないものです。
こうした本は、どうしても名作が多くなりますが、ストーリー的に面白いとは限りません。

 

本好きの子なら、それでも楽しめるのですが、そうでない場合は、本が嫌いになることになりかねません。いかにも「お勉強」感が出てしまうのも、本が嫌いな子にとってはマイナスです。

 

学校などでオススメとされる本は本好きな子向けのものと考えましょう。そもそも、本を読む習慣がない子にとってのオススメの本は学校推薦本とは別の種類のものになります。

 

親が読んで面白いと思うものがオススメ

読書習慣がない子供にオススメの本は読んで面白いと感じるものです。
どんなものが面白いと感じるかは、親が読んでみればわかります。

 

親子というのは似ているものです。
親が読んで面白いと思う本は子供が読んでも面白いもの。

 

子供は身近な人が面白いといったものに興味を持ちます。
小学生のうちは親への信頼も高いので、自分の親が面白いといったものには食いつきます。

 

こうした読書が中学受験にも役立ちます。

 

というのも、ベストセラーや新書など大人向けの本が中学入試では出題されるようになってきています。いかにも子供向けの児童書よりも大人が読んでも面白いと感じるレベルの文章を読みなれておくことは中学受験にプラスです。

 

また、薦めるときに「ちょっと難しいかも」という言葉を加えることが子供を刺激します。

 

小学校の高学年になってくると大人がしていることを真似てみたいという気持ちが芽生えてくるので、ちょっと難しくても挑戦してみようという気持ちになります。

 

親が本を読んでいないのに、子供に本を読みなさいといっても効果はありません。

 

子供を本好きにさせたいなら、親がまずは読んでみること。
そして面白いと思った本を子供に薦めることが中学受験には役立ちます。

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